研究課題/領域番号 |
20K08054
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
東 美菜子 宮崎大学, 医学部, 教授 (00643389)
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研究分担者 |
前川 和也 宮崎大学, 医学部, 助教 (30754171)
平井 俊範 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40274724)
横上 聖貴 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40284856)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 電子密度画像 / 脳腫瘍 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、電子密度が細胞密度を反映しているか組織学的評価を用いて検証し、神経膠腫の診断や予後、悪性度などの予測に応用できるか検討することである。 本年度は、CTで撮影し取得された電子密度画像で算出される相対電子密度と、MRI検査で撮影される拡散強調像で得られるADC値を用いて、両者にどのような関係があるかを調べることにした。拡散強調像と同時期に撮影されたT2強調像や造影T1強調像を参考にして、明らかに充実成分と考えられる領域の同定を一人の放射線科医が行った。その後、これに合致する領域を拡散強調像上で同定し、この領域のADC値を一名の放射線科医が測定した。次に、CTで得られた電子密度画像で、上記の領域に一致する部分を同定し、その領域内の相対電子密度を一名の放射線科医が測定した。得られた値をまとめ、解析したところ、ADC値が高いほど相対電子密度が低くなる傾向が見られた。 次に、上記で対象となった神経膠腫を、組織学的診断を参考に、グレードで分け、グレード間で、ADC値や相対電子密度になにか傾向があるかを検討した。ADC値は、グレードが高くなるほど低い値を示す傾向で、相対電子密度については、グレードが高くなると、値が高くなる傾向を示した。これらの結果は、全体として統計学的に有意な差は見られなかったが、この原因としては、グレードごとに分けた際のグレードごとの個体数にばらつきがあり、統計学的に十分な評価ができなかったためと考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りの進行ができている
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今後の研究の推進方策 |
画像を用いた評価をこれまで中心に進めてきたので、今後は、病理医と協力し、組織学的な評価を加えていく予定である。神経膠腫の診断だけでなく、予後、悪性度などの予測に応用できるかも今後検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症のため国内や海外の学会への参加ができず、学会参加費を使用目的としていた予算は次年度に使用することとした
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