研究課題
Voxel-based morphometry(脳容積評価法)の解析プロセスの前処理として頭蓋内領域の抽出を精度良く行うことが重要である。なぜなら、抽出精度が悪いと、信号強度均一化処理や空間的正規化処理の精度も悪くなり、解析結果の信頼性が低下するためである。この頭蓋内抽出にSy-MRI画像を利用することで、これまでの手法に比べ、精度が改善することを証明したのでその概要を報告する。3テスラMRI装置においてQRAPMASTERシーケンスを用いて12人の健常成人ボランティアと12人の小児患者(Sturge-Weber症候群)を撮像。Sy-MRIにより、T1強調画像、T2強調画像、プロトン密度強調画像、T2-FLAIR、T1-FLAIR、PSIR、PD-STIR、T2-STIRの画像を取得。マニュアルトレースにて頭蓋内領域を定義したのち、ダイス係数にて抽出精度を評価した。結果は、これまで用いられてきたT1強調画像よりも、PD-WIやPSIR、PD-STIRでの抽出精度が高い結果であった。この内容を今後、学会発表、論文化する予定である。VBM解析を行う際に行う処理として、画像の平滑化処理がある。この平滑化処理を行うことが感度の改善と確度の低下をもたらすことを証明し、その内容を論文掲載した。(Acta Radiol. 2021Jul. doi: 10.1177/02841851211032442.)新規脳容積評価法(Sy-VBM)が、従来法に比較し、被殻の抽出精度を向上させることを証明し、その内容を論文掲載した(Acta Radiol. 2022 Mar. doi: 10.1177/02841851221089835.)
3: やや遅れている
新規脳容積評価法(Sy-VBM)の構築に関連した研究結果は、実績概要欄に記載したように成果を出せている。しかし、研究計画における3年目では、疾患群への感度に関する検討を行っている予定であったが、それが実施できていない。疾患群を用いる前に検証や手法改善を試みることに時間が必要であったため、やや遅れている状況である。
疾患群を用いる前の検証や手法改善における、残りの研究実施と疾患群への適応を行い、研究計画に記載の内容実施を目指す。
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Acta Radiol.
巻: 64 ページ: 741-750
10.1177/02841851221089835.
巻: Online ahead of print ページ: 0
10.1177/02841851211032442.