研究課題
放射線治療におけるCone-beam CT(CBCT)は、治療効果を向上させることを目的として様々な発展的利用が期待されている。CBCTはコーン状の線束を用いることから散乱線によるノイズが顕著であり、画質改善はその有効利用において必須の要素技術である。今年度は敵対的ネットワーク(Generative Adversarial Network: GAN)を用いて、治療中CBCT(intra-treatment CBCT; iCBCT)の画質改善研究を行った。前立腺がん患者20症例の治療計画CT(pCT)とiCBCT画像について、学習用16例、テスト用4例として解析を行い以下の結果を得た:1)iCBCTは解剖構造を保全しつつ、pCTと類似した画質まで改善することが確認された。2)CT値のヒストグラム評価では、iCBCTはコントラストが明瞭でないことから単峰性の分布であったが、画質改善した画像ではpCTと同様に二峰性となり、コントラストが改善していることが明らかとなった。3)pCTをiCBCT元画像および画質改善したiCBCTに対して変形画像位置合わせし、画質改善によりpCTが安定的に変形できていることを、5名の観察者実験により確認した。本研究は日本放射線技術学会雑誌で誌上発表し、高い評価を受けている。
2: おおむね順調に進展している
CycleGANを用いた治療中CBCTの画質改善については学会発表および誌上発表を行っており、十分な成果が得られている。また他施設や他部位への利用を目的とした転移学習の研究については解析を準備中であり、上記区分とした。
1)CBCTの更なる画質改善にむけたロス関数の改良2)少ない教師データでも安定的に学習できる正則化手法の構築3)画像ドメイン変換における画質改善の評価法の構築4)他部位の画質改善への転移学習の検討
GPUマシンの最新版を次年度に購入することを予定しているため。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
Japanese Journal of Radiological Technology
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