研究課題/領域番号 |
20K08076
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加茂前 健 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60706282)
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研究分担者 |
櫻井 良憲 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (20273534)
笈田 将皇 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 准教授 (10380023)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | BNCT / マルチリーフコリメータ / モンテカルロシミュレーション / 中性子計測 / 医学物理学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,次世代型BNCT「強度変調ホウ素中性子補足療法 (Intensity Modulated BNCT: IM-BNCT) 」を提案し,その有用性を検討することである.本研究は,X線治療分野で確立されたマルチリーフコリメータ (Multi Leaf Collimator: MLC) 技術をBNCTへ応用するものであり,本技術の確立により,患者の解剖学的条件や,ホウ素製剤の集積状況を踏まえ,MLCの開口形状を連続的に変化さることでビーム強度を変調制御し,患者個別に線量分布を最適化できるようになることが期待できる.本年度 (令和3年度) の研究計画は,前年度に引き続きモンテカルロシミュレーションを用いた至適MLC材質及び形状の探索を行い,それらの結果に基づき試作MLCを開発し評価することである. 本年度 (令和3年度) 我々は,共同研究者と共に,モンテカルロシミュレーションコードPHITS (日本原子力研究開発機) を用い,最適なMLC材質の検討として,中性子反応断面積が高く安定しているフッ化リチウム板を中心として,シミュレーション計算により検討を行った.加えて,MLC 形状を変化させた場合の線量分布へ及ぼす影響の評価を実施した.MLCの材質や形状に応じ,中性子ビームの振る舞いが変化することが確認されたが,至適な形状の探索に関しては引き検討を要する内容であった.試作MLCを作成するための準備に着手した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延により,当初予定していた研究用原子炉に出張しての実測実験が実施できなかったため,やや研究計画に遅れが生じている.し かし,シミュレーション計算で行える実験計画を優先して進めたことで,その遅延は最小限に留めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の蔓延状況を勘案し,研究用原子炉に出張しての実測実験を行う.シミュレーション結果に基づき,BNCT用MLCの試作を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの蔓延により予定していた出張による実験ができなかったため次年度使用額が生じた.今後,新型コロナウイルス蔓延の状況を勘案し,予定 していた出張による実験を行う予定である.
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