研究課題
本研究は、X線治療分野で確立されたマルチリーフコリメータ (Multi Leaf Collimator: MLC) 技術をBNCTへ応用し、次世代型BNCT「強度変調ホウ素中性子補足療法 (Intensity Modulated BNCT: IM-BNCT)」を提案し、その有用性を検討することを目的とする。本研究では、モンテカルロシミュレーションを用いた至適MLC材質及び形状の探索を中心に実施した。シミュレーションコードはPHITS (日本原子力研究開発機)を用い、実測データと計算データの基本的な一致を確認した。最適なMLC形状の検討として複数パターンの形状を評価し、加えてMLCの配置位置 (中性子照射口または患者との距離) による線量分布へ与える影響を詳細に評価した。MLCの形状や配置に応じ、中性子ビームの振る舞いが大きく変化することがシミュレーション上で確認されたが、至適な条件の決定に関しては更なる検討を要する内容であった。本研究で提案したIM-BNCTにより、患者の解剖学的条件 (腫瘍の形状、大きさ、深さ、部位、周囲正常組織との関係など) や、ホウ素製剤の集積状況に応じて、MLCの開口形状を変化させビームを積算することで、患者個別に線量分布を向上できる可能性があることが示唆された。一方で、IM-BNCTは広い中性子ビームを絞り、そのビームを足し合わせる技術であるため、治療時間が延長する課題があり、臨床応用を踏まえると中性子源の中性子強度向上と合わせた検討が必要であると考えられた。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
Medical Dosimetry
巻: - ページ: -
10.1016/j.meddos.2024.02.002
Cureus
巻: 15(5) ページ: e38645
10.7759/cureus.38645
巻: 15(7) ページ: e42299
10.7759/cureus.42299
Nagoya Journal of Medical Science
巻: 85(3) ページ: 504-517
10.18999/nagjms.85.3.504
Reports of Practical Oncology and Radiotherapy
巻: 28(5) ページ: 671-680
10.5603/rpor.97511
Radiological Physics and Technology
巻: 17 ページ: 337~345
10.1007/s12194-023-00759-6
Journal of Radiation Research
巻: 65 ページ: 1~9
10.1093/jrr/rrad090
F1000Research
巻: 12 ページ: 798~798
10.12688/f1000research.138758.2