研究課題/領域番号 |
20K08077
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
市川 泰崇 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (80725127)
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研究分担者 |
中山 良平 立命館大学, 理工学部, 教授 (20402688)
永田 幹紀 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (40402028)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 肝機能 / 肝線維化 / Dual-energy CT / 99mTc-GSA肝受容体SPECT / 細胞内容積分画 / 細胞外容積分画 / 肝切除術 |
研究実績の概要 |
99mTc-GSA肝受容体SPECT定量評価の肝線維重症度予測における有用性に関しては、現在、肝細胞癌に対する肝切除術前にTc-99m GSA肝シンチが施行された78患者を対象に検討を行っている。肝シンチ指標(SPECT定量指標(肝摂取率)及びLHL15)や他の肝機能指標(FIB-4, ICG-R15, K値等)による組織学的な肝線維化重症度(F0-4)の予測における有用性について多重ロジスティック回帰及びROC解析にて検討したところ、肝摂取率(SPECT定量指標)とK値が、高度肝線維化(F4)を予測するための独立した因子であった(肝摂取率 p<0.017, オッズ比 0.88, K値 p<0.03, オッズ比 <0.0001)。F4予測におけるAUCは肝摂取率 0.78, K値 0.79で、肝摂取率とK値を組み合わせた回帰モデルのAUCは0.83であった。Tc-99m GSA肝SPECT定量指標の肝線維化重症度評価における有用性が明らかとなりつつある。 Dual-energyで撮影した肝ダイナミック造影CTの平衡相画像からヘマトクリットで補正した肝ECV及びICVマップの作成法について本年度さらに検討を進めた。現在、マップ上から肝内血管内領域を動脈相と門脈相のCT画像情報を用いて簡便に取り除くアルゴリズムを開発し、その手法の妥当性や再現性について検証を進めている。また肝内血管内領域を取り除いたマップから、ECVおよびICVの定量指標を解析し、肝切除組織の病理学的な肝線維化重症度との関連性を評価し、それら定量指標の妥当性について検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヘマトクリットで補正した肝ECV及びICVマップを作成できる手法を検討しているが、簡便で再現性の高いマップ生成方法の開発が完了していないため。
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今後の研究の推進方策 |
ヘマトクリット及び血液の造影効果で補正した肝ECV及びICVマップを簡便に高い再現性で作成できる手法の開発を進める。これらマップから、肝内血管内領域を取り除いて、肝全体及び局所の線維化総量、肝細胞総量を算出できるアルゴリズムを開発する予定である。肝内血管内領域は、動脈相や門脈相のCT値に基づいた領域拡張技術またはdeep learning技術の一つであるセマンティックセグメンテーションにより抽出し、取り除く手法を考案する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析等に必要な物品費(PC等)の選定が遅れたためと、新型コロナ感染症の影響で、予定していた海外学会への参加が出来なかったため、次年度への繰り越しが生じた。次年度では本研究に係る画像解析に必要な物品を購入する予定である。
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