研究実績の概要 |
本年度において、99mTc-GSA肝受容体SPECT定量評価の肝線維重症度予測における有用性に関して、現在、肝細胞癌に対する肝切除術前にTc-99m GSA肝シンチが施行された78患者を対象に検討を行った。肝シンチ指標(SPECT定量指標(肝摂取率)及びLHL15)や他の肝機能指標(FIB-4, ICG-R15, K値等)による組織学的な肝線維化重症度(F0-4)の予測における有用性について多重ロジスティック回帰及びROC解析にて検討したところ、肝摂取率(SPECT定量指標)とK値が、高度肝線維化(F4)を予測するための独立した因子であった(肝摂取率p<0.017, オッズ比 0.88, K値 p<0.03, オッズ比 <0.0001)。F4予測におけるAUCは肝摂取率 0.78, K値 0.79で、肝摂取率とK値を組み合わせた回帰モデルのAUCは0.83であった。この研究結果について、第62回日本核医学会学術総会(2022年9月9日~11日, 京都国際会議場)において"Value of quantitative assessment of 99mTc-GSA SPECT in predicting liver fibrosis severity"と題し一般演題として口演発表を行った。また現在、この研究結果内容について論文執筆中である。Tc-99m GSA肝SPECT定量指標の肝線維化重症度評価における有用性が明らかとなりつつあり、より多数例での検討を進めている。またDual-energyで撮影した肝ダイナミック造影CTの平衡相画像からヘマトクリットで補正した肝ECV及び肝ICVマップと総合的な評価を行い、より精度の高い肝線維化評価法の開発を目指して検討を進めることができた。
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