研究課題/領域番号 |
20K08082
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鶴丸 大介 九州大学, 大学病院, 講師 (90419565)
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研究分担者 |
西江 昭弘 九州大学, 医学研究院, 教授 (20457427) [辞退]
甲斐 聖広 九州大学, 大学病院, 医員 (50848645)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 胃癌 / リンパ節転移 / CT / スペクトラルCT |
研究実績の概要 |
初年度、パイロットスタディとして胃癌症例少数例でリンパ節転移陽性・陰性におけるスペクトラルCTパラメーターを比較したが、有意差を認めなかった。 次年度より、胃癌の症例を集積しながら、胃の粘膜下腫瘍をサンプルとした研究をおこなった。消化管間質腫瘍(GIST)と平滑筋腫の鑑別におけスペクタクルCTパラメータを検証した。当施設で術前にスペクトラルCTで評価し病理学的に確定診断が得られた胃GIST18例と平滑筋腫9症例を後方視的に検討した。両者のサイズは中央値15㎜、14㎜(最大25㎜)で有意差はなかった。CTはIQon spectral CT(フィリップス社製)を用い、ボーラストラッキング法を用い造影3相で撮影した。撮影直前に500ml飲水により胃を拡張した。2名の放射線科の合議により病変を特定し腫瘍の断面にROIを設定した。ヨード密度を算出し、大動脈のヨード密度で標準化したNICをパラメータとして用いた。GISTと平滑筋腫のNICを造影3相で比較し、その結果を用いてROC解析を行った。結果、NICは門脈相と遅延相でGISTの方が平滑筋腫より有意に高かった(P値はそれぞれ0.002と0.001)。ROC解析では、門脈相で感度88.2%、特異度77.8%、遅延相で100.0%、特異度77.8%であった。スペクトラルCTを用いて胃粘膜下腫瘍の鑑別が可能であるという成果を得た。 この内容は第81回日本医学放射線学会総会で発表し、論文は投稿中である。 胃癌症例の集積に関しては、下記のように遅延を生じていたが、目標症例数100に概ね達する予定である。最終年度(延長)の本年、解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胃粘膜下腫瘍の研究に関しては良い成果が得られたと考えている。 本研究課題である胃癌リンパ節転移症例に関しては、新型コロナ感染症の影響により胃癌症例の集積に大幅な遅延が生じている。ようやく目標症例数100に達する目途が立っており、本年度中の研究遂行、完結は可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
胃癌リンパ節転移の症例数が目標症例数に達する見込みがあるので、随時画像解析を行っていく。統計学的に有意なパラメーターが得られれば、その結果を基に研究内容をまとめ、成果報告として放射線学会もしくは消化器関連学会で発表する。さらには論文執筆を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響に伴う科研費の補助事業期間再延長を申請したため。 次年度は、主に成果発表の旅費として使用予定である。
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