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2021 年度 実施状況報告書

末梢動脈瘤の塞栓効果を補強するコイル物理特性と生物学的機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K08086
研究機関札幌医科大学

研究代表者

廣川 直樹  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30404718)

研究分担者 奥田 洋輝  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (40753140)
斉藤 正人  札幌医科大学, 医学部, 助教 (70551109)
大谷 緋美  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10808158)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード動脈瘤 / 塞栓術 / コイル / 生物学的効果 / 急性期 / 動物実験
研究実績の概要

当該研究は、内蔵動脈瘤コイル塞栓において、少ないコイル数でも再発を防ぐために、物理学的、生物学的、臨床的な観点からの継続研究である。本年度は、これらのうち物理学的研究の成果を論文発表した。内臓動脈瘤に最適な3Dフレームコイルの特性を解明することを目的とし、血管モデルを用いて、3つのコイルの塞栓後コイル分布と反発力を比較した。さらに、コイル面積、真円度、重心位置を定量的に比較した。コイル反発力は、デジタルフォースゲージで塞栓後血管モデルを圧縮して測定した。GDC(stock wire diameter, 0.004; primary diameter, 0.015),ターゲットXL(0.003,0.014),ターゲットXXL(0.003,0.017)の3種類のコイルでは、コイル面積と真円度に有意差はなかった。GDCはTargetと比較して、血管壁に沿って均一に展開し、重心の移動が少なく、塞栓密度は最も低かったが、コイル数にかかわらず反発力が大きかった。GDCコイルは、ストックワイヤー径が大きく、一次径が小さいほど、壁に沿って均一に展開し反発力が大きくなった。コイルの剛性はコイルの安定性と形状保持に寄与しており、コイルの剛性を重視したフレームコイルを選択することで再発を防止できる可能性が示唆された。本年度はコロナ禍で予定されていた動物実験を延期せざるを得ない状況が続いたが、来年度にまたがる形で最終的に以下の実験がIVTeC神戸ラボで行われた。ブタ頸動脈に作成された7個の動脈瘤に対し、金属コイルに様々な塞栓物質を併用し、塞栓1週後の急性期生体反応を、血管内視鏡・血管内超音波・体外式超音波ベクターイメージ・病理組織で確認した。結果の解析は来年度に予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究における動物実験は、高精度な塞栓や慢性期飼育を要するため、当該実験が可能な国内唯一の動物実験専門施設であるIVTeC神戸ラボで行う必要があった。コロナ禍で国内移動の制限のある中で実験延期が重なった。年度末から来年度にかけて動物実験が行える見通しが立ったが、結果解析にも時間を要するため、全体的に進捗は遅れているのは否めない。

今後の研究の推進方策

来年度には、ブタ頸動脈に作成された7個の塞栓動脈瘤に対し、塞栓1週後の急性期生体反応を、血管内視鏡・血管内超音波・体外式超音波ベクターイメージ・病理組織で確認する予定。その後、解析作業となる。

次年度使用額が生じた理由

COVID19の流行による行動制限があったため、動物実験の実施が予定より後ろ倒しになったため。翌年度に残りの実験を行うのでその際に経費を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Stiff coils enhance shape retention and pressure resistance in an aneurysm model even at low volume2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Okuda, Naoki Hirokawa, Masato Saitoh, Akemi Otani, Masanori Someya, Yoko Usami, Koh-Ichi Sakata
    • 雑誌名

      Minim Invasive Ther Allied Technol

      巻: Jun;31(5) ページ: 767-776

    • DOI

      10.1080/13645706.2021.1980051

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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