研究課題
胸部高精度放射線治療の安全性・有用性を検証するため、後ろ向き臨床研究を行った。2018年4月から2020年3月にHalcyonまたはTomotherapyにて根治的放射線治療を施行した原発性肺癌33例の線量体積ヒストグラムを比較した。Halcyonで治療した16例の原発巣は右肺:左肺=5例: 11例、上葉:中葉:下葉=10: 0: 6であった。Tomotherapyで治療した17例の原発巣は右肺:左肺=11例: 6例、上葉:中葉:下葉=6: 1: 10であった。Halcyon: TomotherapyはPTV体積 (cc) =526.1: 315.0 (P=0.063)、投与線量D95 (Gy)= 58.9: 58.1 (P=0.206)、Dmean (Gy)= 62.7: 60.3 (P<0.001)、conformity index=1.31: 1.56 (P<0.001)、homogeneity index=0.14: 0.08 (P=0.001)であった。肺のV20 (%)=22.0: 16.5 (P=0.048)、V5 (%)=44.8: 41.7 (P=0.581)、Dmean (Gy)=13.3: 10.3 (P=0.052)であった。結果、Halcyon、Tomotherapyともに臨床使用可能な線量分布での治療計画が作成できていた。ConformityはHalcyonが、homogeneityはTomotherapyが優れる傾向を示した。
3: やや遅れている
腫瘍輪郭の自動抽出には用手的な輪郭描写の標準化が必須である。検討可能症例の選択が困難であった。人工知能内蔵型放射線治療補助ソフトウエアの円滑な導入ができなかった。このため、進捗状況には遅延が生じている。
診療で用いられた治療計画データをもとに知識ベース治療計画のトレーニングと検証を行う。さらに選択された症例をもとにポジトロン断層法を使用して輪郭の自動抽出を可能にする。
治療対象となる標的を自動で抽出する機械学習システムを構築する。根治的放射線治療を行ったIII期肺癌患者のCTセ ットで治療標的を設定するため人工知能内蔵型放射線治療補助ソフトウエアの購入を予定し、予算を計上していたが、円滑な導入ができなかった。
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