研究実績の概要 |
研究ではゲル線量計に注目した。ゲル線量計は、Dead spaceは存在せず、すべての領域が測定可能領域である。一方、この測定可能域の線量値を可視化 するにはMR(Magnetic Resonance)装置が現状必須である。また、取得する画像の要件としてゲル線量計の測定精度の面から高画質で高解像度である必要がある ことから、複数の二次元断面から構成される三次元の画像化をするためには数時間以上の撮像時間が必要である。これは臨床や研究でも許容できるレ ベルではない。これは臨床利用されている検出器の測定結果取得時間と比較すると非常に長く、ゲル線量計を臨床で利用しない要因の一つとなっている。また、 研究での実際のゲル線量計の利用方法は必要な二次元断面を1断面任意に選択しているのが実際である。この任意面の選択は長所であるが、ゲル線量計の潜在能 力を最大限まで生かせていない上、様々な領域の線量分布の差を検証することができない。 本研究では呼吸移動を伴う腫瘍への強度変調放射線治療の患者毎の治療精度を治療前に明確化するため、実際の臨床および研究でゲル線量計を「三次元測定器」 として利用する ことを実現することを目的とし、研究開発を行う。そのために深層学習を応用して、短時間撮像のMR画像から長時間で撮影したMR画像と同レベ ルの画像を生成する技術を開発・実装する。 2020年度は深層学習における高解像度化やノイズ低減(Deep learning - High resolution and Noise reduction, DL-HRNR)の開発と実装を行った。 2021年度はDL-HRNRの学習用のデータ取得であり、研究用MRの利用について困難さがあるが複数のデータを取得できた。
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