研究課題/領域番号 |
20K08110
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
檜垣 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (80611334)
|
研究分担者 |
粟井 和夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30294573)
立神 史稔 広島大学, 病院(医), 講師 (90411355)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 造影シミュレーション / ヨード造影剤 / 造影プロトコル / 造影CT |
研究実績の概要 |
今年度は,本研究課題でこれまでに開発してきたシミュレーションソフトウェアについて,臨床的な有用性や精度について評価を行った。本ソフトウェアを利用することで,全身の血管造影CT検査の造影剤投与量を最適化できることを確認した。とくに心機能の低下した対象については,微細血管の描出能を損なうことなく造影剤投与量を減量でき,腎機能保護などに役立つことが期待される。ただし,多相注入における最適化についてはまだ十分に検討が行えていないため,今後も継続して検証を行う。また,機械学習法における造影剤投与最適化法と精度を比較した結果,機械学習法のほうが高精度であることが確認できた。これは,機械学習法が特定の疾患群について重点的な学習を行っていたためであると考えられる。機械学習法による最適化では特定の疾患群に対して高い精度を発揮できるのに対し,本手法では疾患や部位によらず最適化できるという特徴があることが確認できた。 本研究課題の成果の一部は,査読付き英文論文誌に掲載した。また,商業誌や解説誌にて,一部に本ソフトウェアを使用した原稿を執筆した。また,招待講演の一部または全部で本ソフトウェアの内容を解説誌た。CT造影理論一般および本ソフトウェアについて解説誌た書籍を執筆した。 本研究課題では,CT造影検査における造影剤注入プロトコルを最適化するためのソフトウェアの開発を行った。これまでに開発してきた単相注入による最適化法よりも,多相注入による最適化のほうがより高精度に造影曲線を制御可能であることが実証できた。また,造影プロトコル最適化法について様々な臨床検討を行い,臨床的な有用性を確認することができた。論文誌や学会発表,著書,webページなどで,本研究課題の成果を発信した。
|