研究課題/領域番号 |
20K08115
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
島本 直人 (鹿野直人) 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80295435)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | BNCT |
研究実績の概要 |
株化脳腫瘍細胞(GFP-GL261)を移植したヌードマウスに放射性18F標識L-FBPA、D-FBPAを投与し、そのオートラジオグラフィーを行うことにより、集積したL体D体について体内分布を比較検討した。細胞培養および移植は、脳腫瘍細胞株(GFP-GL261)をCO2 5%で75cm2ディッシュ中に12×106個播種し、高グルコース培地(DMEM)を用いて7日間培養した。培養した腫瘍細胞を一匹あたり795.76×106個、2匹のマウス(KSN-aslc 3週齢♂)の背(皮下)に移植した。脳腫瘍を移植したマウスにおけるL-、D-FBPAでの全身オートラジオグラフィー移植後11日目のGFP-GL261移植ヌードマウス2匹を18時間絶食させた後L-、D-FBPAを92.5kBq静注後30分で安楽殺し、オートラジオグラフィーのため全身凍結させ、ミクロトームを用いて薄切切片を作製し、凍結下IPと密着露出させた。なお、オートラジオグラフィーのIPは富士フィルム製IP(BAS-2025)を使用し、読み取りは富士フィルム製バイオイメージングアナライザー(BAS-5000)で行った。オートラジオグラフのROIを取り、ホウ素薬剤の体内集積を調べた。得られた値は(PSL-BG)/mm2で表した。その結果、最も高い集積はL体では膵臓、D体では腎皮質に見られた。次いでL体は腎皮質、D体は膵臓が高かった。L、D体で最も集積が低かったのは脳だった。移植した脳腫瘍細胞への集積はL、D体に差はほとんど見られなかった。各臓器での集積は、腎皮質、腎髄質、肝臓を除きL体の方が高かった。また、腫瘍/正常組織集積比(T/N比)は脳で4.39(L体)、55.52(D体)、筋肉で2.16(L体)、23.15(D体)と差があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
液体シンチレーションカウンタの故障により実験ができない状況となったため。
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今後の研究の推進方策 |
液体シンチレーションカウンタが利用可能になり次第、研究計画の可能な部分を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
液体シンチレーションカウンタが故障し研究が出来なくなったため。
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