腫瘍のホウ素中性子捕捉療法に用いるホウ素薬剤4-borono-L-phenylalanine (L-BPA)は脳実質も含め他の正常組織にも比較的よく入り、正常組織の被ばくが大きいことがあるなどの欠点がある。株化脳腫瘍細胞(GL261)を移植したヌードマウスに92.5kBq の18F標識L-FBPA、D-FBPA静注後30分に集積したL体D体について体内分布を比較検討した。各臓器での集積はL体の方が高く、腫瘍/正常組織集積比は脳で4.39(L体)、55.52(D体)、筋肉で2.16(L体)、23.15(D体)となりT/N比が優れるD体の腫瘍集積量改善を考慮した開発が期待された。
|