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2021 年度 実施状況報告書

放射線被ばくによるがん化リスクを抑制する分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K08117
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

齋藤 陽平  東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (10613698)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード放射線 / APOBEC3B / DNA損傷
研究実績の概要

放射線被ばくによるがん化リスクは、DNA損傷に基づく突然変異による。この突然変異は、物理化学的な直接的なDNA損傷だけではなく、DNA損傷修復機構の活性化や抑制、また二次的なDNA損傷によっても影響される。APOBEC3Bは、放射線照射により発現誘導されるだけではなく、照射によるDNA損傷修復過程の初期にも影響する。がん化リスクを抑制する分子機構を明らかにするためにAPOBEC3B発現もしくは欠損細胞を用いてDNA損傷修復及び複製段階における相互作用分子の同定及び機能解析を行うことを目的としている。放射線や薬剤によるDNA損傷修復時にAPOBEC3Bがどのように局在変化するか解析した。まず、APOBEC3B-AcGFP発現コントロール細胞において、APOBEC3Bは、核小体には存在せず、核内に不均一に拡散しており、クロマチン領域には少ない。放射線照射やDNA損傷を誘発する薬剤投与後、APOBEC3Bは、様々なDNA修復タンパク質が複合体を形成する二本鎖切断末端を含む領域から排除されることが観察された。またAP部位への移行も観察することはできなかった。一方で、核小体ストレスを与えることでAPOBEC3Bの局在と相互作用タンパク質の結合量の変化が確認された。つまり、核小体ストレスによるAPOBEC3Bの機能制御が考えられ、薬剤及び放射線による細胞障害に対する感受性の変化にAPOBEC3Bが影響している可能性が示唆された。現在、感受性変化の作用機序解明、APOBEC3B発現細胞の改良、相互作用分子による突然変異の評価法の構築も行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍により一部の実験が予定通りにできず、研究計画の一部に遅延が生じた。

今後の研究の推進方策

おおよそ計画通りに進行しているため、今後も相互作用タンパク質の解析を行っていく。特に相互作用タンパク質のうち、機能に影響を与えるものについてを中心に解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により研究計画の一部が遅延したため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Radiosynthesis and in Vivo and ex Vivo Evaluation of Isomeric [11C]methoxy Analogs of Nimesulide as Brain Cyclooxygenase-2-Targeted Imaging Agents2022

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Yumi、Tago Tetsuro、Toyohara Jun、Saito Yohei、Yamamoto Fumihiko
    • 雑誌名

      Biological and Pharmaceutical Bulletin

      巻: 45 ページ: 94~103

    • DOI

      10.1248/bpb.b21-00608

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] DNA損傷後のAPOBEC3Bの細胞内局在の解析2022

    • 著者名/発表者名
      齋藤陽平、今野里香、福嶋恵莉奈、山本由美、山本文彦
    • 学会等名
      日本薬学会第142年会,名古屋(オンライン開催)

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公開日: 2022-12-28  

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