研究実績の概要 |
当該年度は、ヒト腫瘍検体を用いた病理組織学的検討とFMISO-PETによる臨床試験の準備を開始した。 病理学的検討では、抗PD-1抗体であるペンブロリズマブ単剤で初回治療がなされた100例とペンブロリズマブとプラチナ製剤含む併用療法が施行された50例の臨床データと腫瘍組織を集めて染色を開始している。 染色にあたり、PD-L1.PD-L2, CD4, CD8,Foxp3の条件設定を行い、ペンブロリズマブ単剤で治療を受けた50例の染色を終えた。解析は、すべての症例の染色が終了したら行う予定とする。免疫組織学的検討では、当施設に設定された多重染色機器を用いて定量的な解析を目指していく方針である。
また、非小細胞肺癌における免疫チェックポイント阻害での治療を低酸素イメージングであるFMISO-PETでモニタリングする臨床試験については、研究計画書作成し、施設の臨床試験審査委員会で承認を受けた。損害保険など治療にあたる準備を整えて、本年3月から登録可能となった。肺がん治療のエビデンスで、イピリムマブとニボルマブ併用が初回治療から標準となったので、本治療も組み入れができるように研究計画書を改訂した。症例登録について適格例がいないため、今のところないが、今後、適格例を確認して登録していく予定。本臨床試験でも治療前の腫瘍組織を用いて、免疫微小環境、低酸素マーカーなど付随研究を行い、臨床経過との関連性も十分に解析していく予定である。
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