研究実績の概要 |
当該年度では、進行非小細胞肺癌におけるPD-1阻害剤あるいはPD-1抗体+CTLA-4抗体による免疫療法の治療効果および予後を低酸素イメージングであるFMISO-PETでモニタリングして評価する臨床試験を遂行することが課題である。試験の概要は、免疫治療前および治療開始2か月後にFMISO-PETを施行して、腫瘍組織の低酸素の活動をPETでイメージング化して検討することである。さらに、治療前後で血液を採取して、TNFα、脂肪酸、生化学検査を行い、さらに、治療前腫瘍検体を用いて、HIF-1α、PD-L1,CD4, CD8, Foxp3、VEGF、GLUT1を評価して病理学的に免疫微小環境と低酸素因子の関係を調べ、PETイメージングとの相関をみる。本臨床試験は、当院の倫理審査委員会で承認後、試験開始して、現在までに11例が登録となっている。目標は20例であり、試験を施行した症例の解析および評価について20例登録完了後に予定している。そのため、当該年度の成果は試験計画から承認、11例登録までとなった。詳細な結果報告は、予定登録完了後に行う予定とする。 また、当該年度で非小細胞肺癌腫瘍組織におけるPD-L1,CD4, CD8, Foxp3, PD-1, PD-L1とHIF-1αおよびGLUT1との病理学的な関連性も評価した。結果はPD-L1発現とHIF-1αおよびGLUT1が有意な相関を認め、腫瘍内リンパ球は有意な相関は得られなかった。
|