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2020 年度 実施状況報告書

MRI-negativeてんかんのMEG,PETを基盤とした統合的解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K08124
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

高橋 美和子  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 主幹研究員(任常) (00529183)

研究分担者 湯本 真人  群馬パース大学, 附属研究所, 研究員 (30240170) [辞退]
代田 悠一郎  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60804143)
國井 尚人  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80713940)
岩男 悠真  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 研究員(任非) (40758330)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードてんかん / FDG-PET / 脳磁図 / ベンゾジアゼピン受容体 / MRI
研究実績の概要

本研究では、MRIなど形態学的な脳画像では異常所見を認めない難治性てんかんに対し、FDG-PET、MEGを中心に焦点診断を行うための解析プラットフォームを形成し、外科治療が有効なてんかん焦点診断法の確立を目的とする。MRI上に異常所見が無い場合、外科的治療によっても十分な効果を得られない症例が多いことが知られているが、FDG-PET等による機能画像、MEGによる詳細な電気活動の異常を検出・分析することで、てんかん焦点領域を精度よく検出できれば、外科治療による発作消失が期待される。また、本研究によって焦点診断法の確立と治療予後を比較することで、難治性てんかんの病態を脳糖代謝の分布から明らかにしていく事を目指す。
まず、てんかんの中でも、もっとも頻度の高い側頭葉てんかんに着眼した。R2年度は、外科的治療の奏功率が高い良性腫瘍を伴う難治性てんかんで、かつ、海馬自体にはMRI上、異常を認めない症例を対象に、脳糖代謝および抑制性受容体密度分布の特徴を明らかにすることから始めた。腫瘍摘出後、発作消失をみた14名の術前データを分析したところ、MRI上には海馬領域には異常を認めないが、海馬領域に治療を要した症例は8例いた。その8例中6名では術前のFDG-PETで海馬領域の糖代謝低下を認め、8例中全例でIMZ-SPECTによるベンゾジアゼピン系受容体密度分布の低下を認めた。また、海馬治療を要した8例中5例で術前MEGを実施されており、4例において側頭葉内側領~周囲脳回に異常電源が検出された。この結果より、糖代謝低下域にてんかん焦点領域が多くの場合、含まれることを確認したが、MEGや、抑制系受容体密度分布など、多角的なアプローチによって診断能の向上が期待されることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

R2度は海馬自体にはMRI上の異常所見はないものの、外科治療による予後良好群として知られる良性腫瘍を伴う難治性てんかんの解析に着手した。解析手法として、従来手法による解析のほか、Deep learningによる解析を行えるプロセスを構築した。さらに、Deep learning手法を、すでに確立している従来手法とどのように関連づけるか検討をおこなった。
R2年度は、少数例の解析であったが、外科治療範囲および予後が明瞭である症例を対象に、解析方法の確立と、複数モダリティの三次元データを一括して取り扱える高速データ処理ワークステーションを使った解析手法を確立することができた。

今後の研究の推進方策

Deep learningによる解析と、すでに確立している従来手法とを、どのように関連づけるかについては、まだ課題として残っている。R2年度に見出した手法のほか、別のアプローチがないか検討を継続する。
術前のPETやSPECT、MEG所見から外科治療の実施にいたった症例を抽出し、今年度、確立してきた手法をもちいて解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

本年度、予備試験が進み、解析ワークステーションの拡張およびデータ管理のための専用ワークステーションが必要となった。前年度、未使用分の学会参加に関わる費用をこれに充てることにしたため。

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公開日: 2021-12-27  

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