研究課題/領域番号 |
20K08128
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
若林 大志 金沢大学, 附属病院, 助教 (60622818)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 放射線障害 / リンパ球 / 核医学治療 / γ-H2AX |
研究実績の概要 |
核医学治療では治療後早期よりリンパ球障害が起きることが知られている。造血幹細胞は放射線感受性が非常に高く、その中でもリンパ球が放射線の影響を最も鋭敏に受けるためである。そのため、治療後のリンパ球障害を簡易に測定する方法の確立が求められている。放射線リンパ球障害の評価にはDNA2重鎖切断の指標となる分子マーカーであるphosphorylated histone variant H2AX (γ-H2AX)が知られている。本研究の目的は、DNA損傷指標のγ-H2AXから放射線リンパ球障害の程度をフローサイトメトリーで測定する簡易な骨髄抑制予測法の確立である。また、放射性医薬品(RI)投与量のみでは患者毎に被曝量が異なりリンパ球障害を予測できないため、RI治療による被ばく量とリンパ球障害の関係も明らかにする。 In vitroの基礎実験ではマウスから採血を行い外照射装置を用いて1.0Gy、2.0Gy の外照射を行った。フローサイトメトリーを用いた外照射後血液の評価では、γ-H2AXの発現が照射線量の増加とともに顕著になることを確認した。 臨床研究においては、核医学治療を受けた患者の被ばく量を正確に行うため被曝量算出方法の検討を行った。I-131 metaiodobenzylguanidine(mIBG)治療を受けた患者の被曝量を体外測定器(電離箱型サーベイ)を用いた測定、SPECT/CTによる測定で推測した。測定方法間で被曝線量に有意な違いが起こることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フロサイトメーターの機器更新があり、実験開始が遅れたため。 更新後はおおむね順調に進展しています。
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今後の研究の推進方策 |
今後の実験推進にあたり、大学院生のサポートが得られることとなった。次年度は外照射マウスを用いたリンパ球障害、I-131投与によるリンパ球障害の確認を行う。また、経時的な採血を行い最適なリンパ球障害評価タイミングを決定する。
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