研究実績の概要 |
今回、実臨床で得られた光干渉断層法(OCT)画像を用い、(1)得られた画像に含まれるの石灰化データから、全く新しい冠動脈の実験モデルをシミュレーターや3Dプリンタを用いて作成することを第一の目的とした。(2)そしてこの新しい冠動脈実験モデルを用いてステントの拡張が再現できるかどうか、(3)さらに、現在使用できる冠動脈石灰化の治療デバイスの効果を比較し、冠動脈石灰化治療の新しいデバイス開発に結びつく基礎データを取得することを今回の研究の目的としていた。 冠動脈の石灰化は光干渉断層法(OCT)を用いた冠動脈内画像診断装置にて鮮明に描出する事が可能である。そのため、得られた画像の石灰化だけをコンピューターソフトを用いて抽出し、冠動脈内の石灰化部分を3Dプリンタを用いて再現することを試みることを当初の研究目標とした。 研究開始後にコロナ禍となり、他施設の設備(3Dプリンタ)を共用で利用する研究が困難となった。そこで、冠動脈石灰化をコンピュータによる深層学習を用いて半自動で抽出できるシステム作りを1年間行った。 結果、臨床データを用いて確認することが可能な段階まで到達することができた。昨年度は工学系の国際学会でシステムを公表し、一定の評価を得ている。また、データセットで用いた冠動脈OFDI画像を用いてIVUS画像との比較を行い、その所見を論文化している(Ishida M, Oshikiri Y, Kimura T, Sakamoto R, Shimoda Y, Ishikawa Y, Koeda Y, Taguchi Y, Itoh T, Morino Y. High-definition intravascular ultrasound versus optical frequency domain imaging for the detection of calcium modification and fracture in heavily calcified coronary lesion. Int J Cardiovasc Imaging. 2022 in Press.)。
|