研究実績の概要 |
最終年度は光干渉断層法イメージングで得られた冠動脈石灰化病変の石灰化部分を抽出する診断アルゴリズムを一定の精度で確立する事に成功し、その内容を論文化した(Automatic detection and visualization system for coronary artery calcification using optical frequency domain imaging. Artificial Life and Robotics. 28, 2023: 460ー470.)。カルシウムの面積が小さい石灰化病変の抽出には難があったものの、ステント治療の対象となる様な大きい石灰化病変の抽出は正確にできる事が明らかになった。 その後、実臨床に応用可能かどうかを評価すべく、我々が保有していた画像データを学習モデルとテストモデルに分け、我々の開発した診断アルゴリズムの診断能が適正かどうかを評価した。結果、冠動脈石灰化病変を抽出する事に関する感度、得意度、陽性的中率、陰性的中率はそれぞれ83.2%, 85.5%, 76.6%, 89.9%という結果であった(本研究成果は2023年3月開催の日本循環器学会総会にて公表している)。今回開発した診断アルゴリズムを実臨床で使用するには改良が必要であると考えられる一方、商品化への目処がある程度立つところまで開発が進んだものと判断された。これらの実績を基に、2023年度以降も継続して開発を続ける予定である。
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