研究実績の概要 |
非ダウン症(non-DS)の急性巨核芽球性白血病(AMKL)は他の急性骨髄性白血病(AML)と比較しても予後不良である。nonDS-AMKLはキメラ遺伝子により予後に違いがみられるが、各キメラ遺伝子特有の阻害剤の開発までには至っていない。このため通常の抗がん剤以外の新規薬剤の探索を行った。AMKL細胞株を6株(CMK, CMY, UT7, Mo7e, MKPL-1, MoLM16)購入し、Janus kinase(JAK)には、JAK1/JAK2/JAk3/Tyk2の4種類があり、JAK阻害剤については4種類[Tofatinib(JAK2/3阻害)、Ruxolitinib(JAK1/2阻害), AZD1480(JAK2阻害), Peficitinib(JAK1/2/3/TYK2阻害]の検討を行い、その有効性をMTTアッセイ、アポトーシスアッセイで確認した。細胞株によりその有効性に違いがみられた。UT7、Mo7eはサイトカイン添加の有無でJAK阻害剤の有効性に違いがみられた。その選択性より特にJAK2阻害が有効であるものと考えられた。現在通常の抗がん剤であるcytarabineとの相乗効果がないかどうかについて検討を行っている。UT7はcytarabineに耐性ではあったが、細胞株購入元のDSMZ cell driveの発現データより、他のAMKLよりJAK2高発現であり、JAK阻害剤の有効性が認められた。経口のJAK阻害剤はリウマチ領域で国内でも多くが承認されており、臨床応用も目指せるものと考えている。 またHSP90阻害剤(TAS-116)についても検討を行い、その有効性を確認しており、さらにcytarabineとの相乗効果がないかどうかの検討を行っている。 SMAC mimeticsに関してはBV6とXevinapantについて検討したが、有効性は認められなかった。
|