研究成果の概要 |
CYLDは、K63, M1結合型ポリユビキチン鎖を切断する脱ユビキチン化酵素であり、炎症性シグナル伝達経路を抑制する腫瘍抑制因子として知られている。ヒトにおいてCYLDのヘテロ変異は家族性円柱腫症の原因となる。我々は、複合免疫不全症患者においてCYLDの複合ヘテロ変異を同定した。患者は免疫不全症に加えて、毛包上皮腫, 骨粗鬆症, 低身長, 精神遅滞など症候学的特徴を併発していた。一連の症状は、Cyld欠損マウスの表現型と類似しており、患者は常染色体劣性CYLD異常症の世界第1症例と考えられた。本研究では、患者の検体を用いた解析、及び過剰発現系を用いた解析により本症の病態解明を試みた。
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