研究課題/領域番号 |
20K08161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
西 順一郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (40295241)
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研究分担者 |
藺牟田 直子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (00643470)
児玉 祐一 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (20535695)
大岡 唯祐 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (50363594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 大腸菌 / 基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ / 腸管凝集性大腸菌(EAEC) / CTX-M / K1莢膜遺伝子 / バイオフィルム |
研究成果の概要 |
小児下痢症患児由来大腸菌 (2001-2019年)から検出したESBL CTX-M遺伝子保有株354株のうち、バイオフィルム形成に重要なAggR遺伝子を保有する腸管凝集性大腸菌(typical EAEC)が41株(11.6%)、侵襲性に関わるK1莢膜遺伝子保有株が43株(12.1%)みられた。また、バイオフィルム形成能をもつAggR遺伝子非保有のatypical EAEC 143株(2011-2019年)のうち、CTX-M遺伝子保有株は9株(6.3%)、プラスミド性AmpC型β-ラクタマーゼ遺伝子保有株が1株(0.7%)みられ、このうち2株(22.2%)がK1莢膜遺伝子を保有していた。
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自由記述の分野 |
細菌学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児下痢症患児由来大腸菌から検出されるESBL(基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ)産生菌のうちバイオフィルム形成能の強い腸管凝集性大腸菌(typical EAEC)が11.6%を占め、またこれまで注目されていないatypical EAECにも薬剤耐性遺伝子保有大腸菌がみられることが明らかになった。また、これらの株の中には侵襲性に関わるK1莢膜遺伝子を一定の割合で保有していた。小児の腸管内で薬剤耐性遺伝子と病原遺伝子の水平伝播が活発に進んでおり、今後薬剤耐性遺伝子と病原遺伝子を併せ持った病原性の強い大腸菌の出現が懸念されるため、これらの株を選択しないよう小児への経口抗菌薬の適正使用が望まれる。
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