研究課題
基盤研究(C)
ロングリードシーケンサーを駆使した疾患ゲノム情報解析系を確立した。この解析系を未診断症例に適用し従来法で明らかにすることが出来なかった病的ゲノム欠失や逆位、リピート伸長変異を明らかにした。これらの病的変異はGCリッチ、リピート配列に特徴づけられるゲノム難読領域に位置し, ロングリードを用いることで初めて検出可能であった。またてんかんの原因となるリピート伸長変異全長の高精度な配列決定を行いこれまで明らかでなかったリピート内構造の多様性を明らかにした。
分子遺伝学
てんかんは頻回の発作により脳機能に障害をきたす可能性が高く、遺伝子検査により早期に正確な診断をつけることは治療や医療情報提供、予後予測などの点で患者にもたらす利益が大きい。ロングリード解析により未解決症例の少なくとも一部の原因を同定できたこと、臨床症状とリピート内構造について塩基配列レベルの比較検討 (genotype-phenotype association) を行うための情報基盤を提供できたことは、遺伝情報を用いたてんかん診療の実現に資する成果である。