研究課題/領域番号 |
20K08165
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
森 潤 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 部長 (20750011)
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研究分担者 |
森元 英周 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20827539)
中島 久和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (80363985)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ACE2 / Ang1-7 / 褐色脂肪細胞 / ベージュ化 |
研究実績の概要 |
月齢1か月時から高脂肪食を与えた肥満マウスに対して、高脂肪食開始1か月後から1か月間Ang1ー7とrecombinant human ACE2 (rhACE2)の投与を行い、酸素消費量増加を伴う体重減少、耐糖能改善、白色脂肪細胞 (WAT)の減少を認めた。褐色脂肪細胞 (BAT)は重量が増加し、分化・増殖マーカー (PRDM16, PGC-1a)の発現亢進とインスリンシグナルの改善をを示した。このことはACE2/Ang1-7系がBATの分化・増殖により抗肥満効果を発揮することを示している。さらにrhACE2投与群では、Ang1-7投与群で認めなかったWATのベージュ化も認め、rhACE2のAng1ー7よりもより強い抗肥満効果にはベージュ化が影響していることが考えられた。このベージュ化の分子メカニズムにH3K9のジメチル化、H3K9とH3K27のアセチル化が関与していると考えられた。 ACE2/Ang1ー7系の抗肥満効果が年齢により違いがあるかを検討するために月齢2か月 (young obese)と月齢4か月 (aged obese)の高脂肪食誘導マウスを作出し、1か月間Ang1-7の投与を行ない評価をした。Ang1-7投与によりyoung obeseではBAT重量が増加したが、aged obeseではBAT重量は減少した。さらに組織の検討ではyoung obeseの方が大滴性の脂肪数は減少した。リピドーム解析により脂肪組成にも違いが生じることを確認した。この月齢によるBATへの反応の違いは、将来的なBATをターゲットにした抗肥満薬の創薬開発に役立つと考えれる。
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