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2020 年度 実施状況報告書

RSV/麻疹キメラウイルスを用いた呼吸器感染症ワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K08167
研究機関北里大学

研究代表者

澤田 成史  北里大学, 感染制御科学府, 助教 (40726535)

研究分担者 中山 哲夫  北里大学, 感染制御科学府, 教授 (60129567)
伊藤 尚志  北里大学, 医学部, 講師 (90383629)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードRSV / 百日咳菌 / インフルエンザウイルス / キメラウイルス / コットンラット / 中和抗体
研究実績の概要

麻疹ワクチンAIK-C株の細胞外ドメインをRSVの細胞外ドメインに置換したRSV/MVキメラウイルス(キメラウイルス)をこれまでに作製し、キメラウイルスで免疫したコットンラットにおいてRSV感染に対する防御効果を確認した。更なる防御効果を得るためにキメラウイルスのP/Mタンパク遺伝子間にワクチン抗原となり得る他の外来遺伝子を挿入した組換えキメラウイルスの作製を試みた。ワクチン抗原候補として①RSVの細胞性免疫に関与するNタンパク遺伝子、②現在百日咳菌のワクチン抗原候補と考えられているfim3タンパク質遺伝子、③現在使用されているインフルエンザウイルスワクチンの抗原であるHAタンパク質遺伝子の3種類を選定した。
既に作製済みであるキメラウイルスの全長プラスミドのP/Mタンパク遺伝子間に選定した3種類のワクチン抗原の遺伝子をそれぞれ挿入した全長プラスミドを作製した。キメラウイルス回収時に用いた麻疹ウイルスのリバースジェネティクス法により、293T細胞、Vero細胞の細胞変性効果(CPE)を指標に各挿入タンパク質を発現する組換えキメラウイルスを回収した。
組換えキメラウイルスの性状を確認するため、Vero細胞に各組換えキメラウイルスを感染させCPEが出現したのち、蛍光免疫染色法により挿入タンパク質の発現を確認した。さらに挿入したタンパク質の発現量を検討するために組換えキメラウイルス感染細胞の培養上清を回収し、ウエスタンブロッティングにより挿入タンパク質の発現量の測定を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度の研究実施予定は3種類のワクチン抗原をそれぞれ発現する組換えキメラウイルスの作製および性状解析であった。RSVのNタンパク、百日咳菌のfim3タンパク質、インフルエンザウイルスのHAタンパク質をそれぞれ発現する組換えキメラウイルスを作製し、蛍光免疫染色法によりそれぞれの挿入タンパク質を感染細胞において発現していることを確認することができた。
さらなる解析でウエスタンブロット法を用いた発現タンパク質の発現量の測定も行う予定であったが、3種類の組換えキメラウイルスのうち百日咳菌のfim3タンパク質を発現する組換えキメラウイルス1種類が測定を終了している状況である。

今後の研究の推進方策

令和2年度では3種のワクチン抗原をそれぞれ発現する組換えキメラウイルスを作製することができた。引き続き令和2年度内に行う予定であった各組換えキメラウイルスの性状解析を行う。
並行して麻疹ウイルス、RSV、インフルエンザウイルス等に感受性のあるコットンラットに組換えキメラウイルスを免疫し、経時的に血清を回収する。RSVおよび挿入した病原体に対する中和抗体等を測定し免疫原性の検討を行う。
さらにRSV、インフルエンザウイルスのワクチン抗原を発現する組換えキメラウイルスを免疫したコットンラットはRSV、インフルエンザウイルスを用いた感染実験も行い、各ウイルス感染症に対する感染防御効果を確認する。

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公開日: 2021-12-27  

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