研究課題/領域番号 |
20K08171
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
大石 智洋 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80612770)
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研究分担者 |
井上 智貴 川崎医科大学, 医学部, 助教 (50858438)
川野 光興 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 准教授(移行) (00455338)
見理 剛 国立感染症研究所, 細菌第二部, 部長 (80270643)
尾内 一信 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80351899)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マイコプラズマ / 薬剤感受性 / マクロライド耐性 / PA抗体 |
研究実績の概要 |
これまで継続してきた、M.pneuomoniaeの全国調査を継続した。しかしながら、COVID-19流行による感染対策強化の影響か、全国的にM.pneuomoniaeの流行は見られず、本研究でも小児呼吸器感染症症例に広くM.pneuomoniaeの検査を施行したが、全149例中、陽性例は0例であった。 したがって、PCR陰性であるが、実際は近々の感染者がないか、そして、小児のM.pneuomoniaeに対する免疫状況を調査すべく、マイコプラズマPA(Particle Agglutination)抗体につき、形72名を対象に検討した。しかし、陽性検体(PA抗体価320倍以上)はなく、血清学的にも近々のM.pneuomoniaeの感染症は存在していないと考えられた。 この間、本年は、2017~2020年までのM.pneuomoniaeに対する各種抗菌薬の薬剤感受性データをまとめ、論文投稿し、アクセプトされ掲載された(Recent Trend of Antimicrobial Susceptibility among Mycoplasma pneumoniae Isolated from Japanese Children. Oishi T, et al. Microorganisms. 2022 Dec 8;10(12):2428)また、近年のM.pneuomoniae感染症の特徴につき総説としてまとめ投稿し、こちらもアクセプトされ掲載された(Recent Trends in the Epidemiology, Diagnosis, and Treatment of Macrolide-Resistant Mycoplasma pneumoniae. Oishi T, et al. J Clin Med. 2022 Mar 24;11(7):1782.)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の通り、特に2022年はM.pneuomoniae感染症の発生が全国的に皆無であったため、疫学的な検討が滞ってしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は免疫学的な評価として、PA抗体のみならず、ELISA-IgG抗体や、新たに開発された血清脂質抗原を用いた抗体法を用い、呼吸器検体を用いたPCR以外の診断法としての利用のみならず、一度流行がなくなった状況下でのM.pneuomoniae感染症の免疫状態の把握を行っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
既に述べたように、2022年はM.pneumoniae感染症の流行が全くなかったため、当初予定していた臨床検体の処理以外の研究(血清学的検討)を行ったが、次年度はおそらくM.pneumoniae感染症が再度流行すると考えられるため、臨床検体処理費用を次年度に充てる必要が生じた。
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