研究課題
PFAPA症候群患者から採取した咽頭ぬぐい液を、発熱発作時検体14検体(シメチジン内服なし[A-1群]6検体、シメチジン内服あり[A-2群]8検体)、発作間欠期11検体(シメチジン内服なし[B-1群]3検体、シメチジン内服あり[B-2群]8検体)に分けて解析した。まず、クローンライブラリー法を用いた16S ribosomal RNA遺伝子の塩基配列の分析による細菌叢解析を行った。第1優占菌種は、A-1群では1検体でStreptococcus属(44.2%)、A-2群では3検体でStreptococcus属(37.2%、27.7%、12.9%)、B-1群では3検体ともStreptococcus属(25.5%、21.1%、13.5%、全てS. salivarius)、B-2群では5検体でStreptococcus属(49.5%、40.6%、33.7%、21.7%、18.9%)であった。以上より、発熱発作時においてはStreptococcus属が第1優占菌種となる割合が発作間欠期よりも低いが、シメチジン内服群では発熱発作時におけるその割合が上昇していた。次に、次世代シーケンサーを用いた細菌叢解析を行った。細菌叢の多様度を示すSimpson Indexは、発熱発作時(A-1群+A-2群)は0.942、発作間欠期(B-1群+B-2群)は0.938であり、ほぼ同等であった。発熱発作時で比較すると、シメチジン内服なし(A-1群)は0.929、シメチジン内服あり(A-2群)は0.952で、後者が高い傾向がみられたが、有意差は認めなかった。LEfSe法による解析では、発熱発作時と比較して発作間欠期に特徴的な細菌が1種、発熱発作時ではシメチジン内服なし例と比較して内服あり例に特徴的な細菌が5種検出され、特定の菌が変化していることが示唆された。
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