研究課題
レンチウイルスベースの2種類4プールのsgRNAライブラリプラスミドは、Addgeneから入手し、大腸菌で規定の効率での増幅に成功した。回収したプラスミドを用い、神経芽腫細胞株への導入を行った。細胞は薬剤で選択することによって、十分な効率で細胞へ導入されていることが明らかになった。一方でsgRNAの導入によって新たな発がん性もしくはPRC2阻害剤への耐性を克服する実験の前段階として、細胞レベルでの検討を行った。PRC2阻害については、ヒストン修飾を制御する分子の阻害剤を併用することによって、より強い抗がん剤としての効果を得られることを論文として報告した。また強力なPRC2阻害は、抗がん剤である5-FUの効果を高めることを、in vitroおよびin vivoで明らかにし、論文として発表した。さらにPRC2に変異を持ち、H3K27のメチル化レベルの低い細胞を見出し、その細胞を用いることで、PRC2阻害剤との併用効果が期待できる薬剤および逆に耐性を持ちかねない薬剤を複数見出した。それらの薬剤への感受性または耐性が、PRC2に含まれる一つの分子だけで規定されているかどうかを調べるため、変異型のPRC2分子をクローニングし、細胞への導入を行った。また、iPS細胞由来の正常神経堤細胞については、頭部神経堤細胞にがん遺伝子MYCNを導入することで、マウスで軟骨用の腫瘍を形成することが明らかになったため論文として報告を行った。尾部神経堤細胞については、十分な細胞数を得られなかったことから、頭部神経堤細胞での解析を行った結果、MYCN高発現の他、TP53などの既知の遺伝子変異によって、腫瘍形成が促進されることが明らかになった。
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European Journal of Cell Biology
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