乳幼児突然死症候群(SIDS)は、元気にしていた児が睡眠中に突然無呼吸に陥り、覚醒できずに亡くなる疾患で、2021年の乳児死亡原因の第3位である。これまで多くのSIDSモデル動物が作成されたが、未だ発症機序の解明には至っていない。私が作成したSIDSモデルラットは、SIDSで亡くなった児に見られた異常(セロトニン神経系の異常、軽微な感染症状)を再現したもので、疑似細菌感染24時間後の死亡率が増加するという表現型を示す。これらのことから、当モデルラットを解析することで、SIDSの発症機序の解明が期待できる。また発症機序の解明により、予防やリスクの高い児の同定が可能になるため社会的な意義も高い。
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