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2020 年度 実施状況報告書

セシウムがインフルエンザウイルス・RSウイルス感染に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K08180
研究機関岡山大学

研究代表者

山下 信子  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (40379798)

研究分担者 小川 寛人  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80455237)
八代 将登  岡山大学, 大学病院, 助教 (80585943)
難波 ひかる  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20273972)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードインフルエンザ / セシウム
研究実績の概要

安定同位体セシウム(Cesium;Cs)を用いて、Cs添加がインフルエンザウイルス(IAV)感染に及ぼす影響をin vitroで検討した。IAVはH1N1亜型(A/NC; A/New Caledonia/20/1999)、細胞はA549細胞とMDCK細胞を用いた。初めに、A/NCをMOI 0.1(trypsin 1.0 μg/ml)でのA549細胞に感染かつ細胞上清にCsClをウイルス感染24時間前から感染後48時間まで添加した場合における、細胞上清のウイルス感染価 (48hr p.i.) とCsの細胞障害性について検討した。次に同条件下で細胞内Flu M1 mRNA量、IFNβ mRNA量、IFNλ2/3 mRNA量について 検討した。これらの結果から、CsがIAVの細胞侵入に影響する可能性が示唆された。そのためMDCK細胞を用いたプラークアッセイで、Csを添加した場合のIAVのプラーク数の変動と、KチャンネルブロッカーであるTEAを添加した場合のIAVのプラーク数の変動を検討した。その結果、A/NC 感染では、48hr p.i.の細胞上清のウイルス感染価は1mM群では CsCl非添加群に対して約1.8倍増加した(p < 0.05)。1hr p.i.では、細胞内Flu M1 RNAはCsCl 1mM群で有意に増加した。 48hr p.i. のIFNβ mRNA量、IFNλ2/3 mRNA量は、有意差は認められなかった。 MDCK細胞を用いたプラークアッセイでは、Cs 1mM・3 mM群でプラーク数は有意に増加した(p < 0.05)。TEA(10 mM)群においてもプラーク数は有意に増加した(p < 0.05)。低濃度のCsCl 添加でIAVの細胞への侵入が増加することが示唆されたが、更なる検討が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

主任研究者が客員研究員であるため、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のため、岡山大学への入構を度々自粛せざるを得なかったことが、主な理由である。しかし令和3年になってからは、インフルエンザウイルス複製の検討など、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

インフルエンザウイルスの複製に対するセシウムの影響を検討する。①A549細胞とHEK293T細胞を用いて、感染後のみセシウム添加した場合のウイルス感染価、FluM1mRNA定量 ②Mini-Genome assayを用いた検討を行い、ウイルス複製に影響を及ぼし得るかどうかを詳細に検討する。複製に影響がなければ、ウイルス侵入への影響と考えられる。ウイルス侵入に対する、他のKチャンネルブロッカーを用いた検討を考慮する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症により、細胞実験が予定より遅れたため、消耗品購入が予定より少なかった。しかし、令和3年度からは、予定通り研究は実施できる見込みである。

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公開日: 2021-12-27  

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