Sotos症候群 (SS) は知的障害を伴う過成長症候群である。その原因遺伝子は、ヒストンH3リジン36メチル化酵素をコードするNsd1遺伝子である。我々は、SSモデルマウスを樹立するために、大脳皮質、海馬でNsd1をノックアウトしたマウスを樹立した。このマウスは、ヘマトキシリン染色による組織学的解析とMRI解析により、側脳室の拡大や歯状回の短縮を伴う海馬面積の減少を認めた。また、行動表現型解析では空間記憶の低下を認めた。これらの結果より、海馬の成熟神経細胞に焦点を当て、エピゲノム解析と遺伝子発現解析を網羅的に行い、行動表現型に関与する候補遺伝子を同定した。
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