研究課題/領域番号 |
20K08189
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 啓之 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80196865)
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研究分担者 |
武内 崇 和歌山県立医科大学, 医学部, 大学院研究生 (10246522) [辞退]
土橋 智弥 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20828488)
鈴木 崇之 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40816691)
末永 智浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70433365)
垣本 信幸 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90614412)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 川崎病 / 病因 / レンサ球菌 / スーパー抗原遺伝子 / 遺伝子水平伝播 |
研究実績の概要 |
昨年度(令和2年4月~令和3年3月)に川崎病として入院した患児から咽頭・肛門ぬぐい液検体は32例得た。それらの検体から増菌培養してtotal DNAを抽出し、スーパー抗原のの一つであるSPE-G遺伝子断片の有無をPCRで検討した結果、32例中4例の増菌培養液からSPE-G遺伝子断片の陽性反応を得た。結果の信憑性を確保のために複数回のPCR反応を行い、陽性反応の再現性は確認できている。この4例の咽頭培養からGASは検出されないことは確認できており、増菌培養液中にはGASは存在せず、SPE-G遺伝子断片は、GAS以外のレンサ球菌由来と考えている。SPE-G遺伝子断片が陽性であった4例の増菌培養液はー80℃に凍結保存され、今年度、SPE-G遺伝子断片を保有する細菌種を同定する作業に用いた。 一方、令和3年4月~令和4年3月までに、新たに川崎病と診断されて入院した症例で咽頭培養を施行できた症例は12例であった。前年度と同様にSPE-Gの遺伝子断片について、PCRで検討した結果は、12例中4例に陽性反応を得た。前年度と合わせて44例中8例に陽性であった。 今年度、上記PCRでSPE-G遺伝子断片陽性であった8例中3例の増菌培養液中の細菌を、血液寒天培地に播き、SRE-G陽性菌の単クローン分離を行った、さらに、そのSPE-G遺伝子陽性の単クローン菌のDNAを用いて、次世代シークーエンサーで菌種同定作業を実施した。現段階では、まだ最終結論を記載する段階まで到達できていないが、Streptococcus X, Streptococcus Y, Staphylococcus Xの3菌種が候補となっている。さらに解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の細菌種同定作業は、かなり複雑で時間を要する作業であるが、進捗状況としてはおおむね想定範囲内である。
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今後の研究の推進方策 |
現在進めている3菌種の、正確な菌種同定と、さらに今年度PCR陽性となっている咽頭菌の分離・細菌種同定へと進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は、ほぼ計画通りに進行しています。確かに少額の余剰金があり、次年度使用額が生じましたが、当然、令和4年度の研究を進める上でこの余剰金を使用し、研究を進めたいとと考えています。
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