脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy: SMA)は、全身の筋萎縮と筋力低下を主症状とする遺伝性運動ニューロン病である。発生頻度は1~2万出生に1人と高く、保因者頻度は50~7人あたり1人と予測されている。1995年に染色体5q13領域のSMN1遺伝子が疾患遺伝子であることが報告され、その後の研究でSMN1遺伝子の近傍に存在するSMN2遺伝子が重症度を規定する遺伝子であることが明らかになった。最近、有効な治療薬が開発されて、しかも早期治療が有効であることが明らかになった。SMAは、臨床症状だけで診断するのが困難である。早期診断のシステム構築が喫緊の課題となった。
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