研究課題/領域番号 |
20K08204
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
夏目 淳 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (60422771)
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研究分担者 |
久保田 一生 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (10526940)
城所 博之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20647466)
服部 文子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (80444975)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 知的障害 / 発達障害 / 筋ジストロフィー / 拡散テンソルMRI / 機能的MRI |
研究実績の概要 |
2022年までに6歳から20歳のDMD/BMD患者22名、コントロールとして年齢をマッチさせた健常小児・若年成人27例でMRI撮像を行った。合わせて患者群においてレーヴン色彩マトリックス検査、絵画語彙発達検査、自閉症スペクトラム指数(AQ)、ADHD-Rating scale(ADHD-RS)の評価を行った。そして画像解析プログラムを用いて拡散テンソル画像から白質線維の脳各部位の結合性の評価し患者と健常小児の脳ネットワーク構造の違いの検出を行った。現時点の解析では患者において左右の上後頭回、左中後頭回、左楔前部など後頭葉の視覚認知に関連する領域の結合性の低下が示唆されている。画像や臨床情報の保存、管理も支障なく行っている。研究成果を2022年6月に日本小児神経学会学術集会、2023年5月日本小児神経学会学術集会で発表した。 Voxel-based morphometry、安静時-機能的MRIの評価を加え、画像解析結果と神経心理学的検査との相関、遺伝子変異との関連を評価している。Voxel-based morphometryでは左後頭葉楔部の表面積の減少、安静時-機能的MRIではデフォルトモードネットワーク、視覚ネットワーク、感覚運動ネットワークの結合性低下が認められた。レーヴン色彩マトリックス検査、絵画語彙発達検査では患者ではコントロールよりスコアの低下がみられた。以上の研究によってDMD/BMD患者の知的障害、発達障害に関連する脳の微細構造、脳機能の異常を明らかにして、患者の日常的ケアやコンピュータデバイスを用いた意思疎通にも有用な情報を提供する。得られた研究成果を学術集会、医学雑誌で公表するために準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者および家族への研究の広報や説明、コントロールとして用いる健常小児の募集を予定通り行った。患者22名、健常小児27例の撮像を行い、被検者の体調不良などの問題なく続けられている。研究分担者、研究補助者、研究協力者との連携も問題なく行えている。MRIの撮像、結果の解析を進めている。学術集会における発表、論文投稿の準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
Voxel-based morphometry、安静時-機能的MRIの解析を加え、画像解析結果と神経心理学的検査との相関、遺伝子変異との関連を評価している。以上の研究によってDMD/BMD患者の知的障害、発達障害に関連する脳の微細構造、脳機能の異常を明らかにして、患者の日常的ケアやコンピュータデバイスを用いた意思疎通にも有用な情報を提供する。得られた研究成果を学術集会、医学雑誌で公表する準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
情報収集、MRI撮像と成果発表のため国内および海外の学会参加を予定していたが新型コロナウイルス感染の流行によって患者やコントロールのMRI撮像に遅れが生じた。そのため結果の解析に遅れが生じたが、現在は撮像を完了して、結果の解析、学術集会における発表論文投稿の準備を進めている。
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