研究課題/領域番号 |
20K08218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
横山 和明 帝京大学, 薬学部, 教授 (50246021)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 副腎白質ジストロフィー / スフィンゴ糖脂質 / 極長鎖脂肪酸 / 酸化リン脂質 / コレステロールエステル / 質量分析 / 網羅的解析 / ペルオキシソーム |
研究成果の概要 |
ペルオキシソーム病の副腎白質ジストロフィー(ALD)では、極長鎖脂肪酸を含有する各種脂質分子種が蓄積し、大脳白質での後天的な炎症性脱髄により発症する。糖脂質について(1)ALD患者剖検脳で見出された4種のうち3種の新奇スフィンゴ糖脂質の構造解析を完了し、(2)ALD患者線維芽細胞では極長鎖脂肪酸含有スフィンゴ糖脂質6種を同定した。リン脂質について(3)極長鎖脂肪酸含有ホスファチジルコリン合成を担うアシルトランスフェラーゼをほぼ同定し、(4)ALD患者血漿に特有な酸化リン脂質分子種を同定した。さらに(5)ALD患者剖検脳白質に特定のコレステロール脂肪酸エステル分子種が局在することを見出した。
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自由記述の分野 |
脂質生化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペルオキシソーム病の副腎白質ジストロフィー(ALD)では、極長鎖脂肪酸を含有する各種脂質分子種が蓄積し、大脳白質での後天的な炎症性脱髄により発症する。極長鎖脂肪酸含有脂質分子種の発症への関与が疑われており、その合成酵素の解明に向けて大きく進展した。一方でALD患者剖検脳での新奇スフィンゴ糖脂質の構造解析とコレステロール脂肪酸エステルの蓄積の発見は、極長鎖脂肪酸以外にも脂質代謝系に異常が生じていることを示唆しており、ALD発症機構の一翼を担っている可能性が示された。発症機構の解明を進めることにより、創薬ターゲットの確立に道を開くものである。
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