研究課題/領域番号 |
20K08223
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研究機関 | 東京都立神経病院(臨床研究室) |
研究代表者 |
福田 光成 東京都立神経病院(臨床研究室), 神経小児科, 医師 (80274330)
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研究分担者 |
眞下 秀明 東京都立神経病院(臨床研究室), 神経小児科, 医師 (00869406)
柏井 洋文 東京都立神経病院(臨床研究室), 神経小児科, 医師 (20604333)
松尾 健 東京都立神経病院(臨床研究室), 脳神経外科, 医師 (10733941)
小森 隆司 東京都立神経病院(臨床研究室), 検査科, 医師 (90205526)
佐久間 啓 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, プロジェクトリーダー (50425683)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 難治性てんかん / 神経免疫 |
研究実績の概要 |
感染免疫は小児期痙攣性疾患の病態に深く関わる。炎症性サイトカインは痙攣性疾患の病態に関与すると報告され、近年では自然免疫を作動させるToll様受容体(Toll-like receptor:TLR)やNLRP3インフラマソームも痙攣性疾患の病態に関与すると報告されるが、未解明である。そこで小児難治性てんかんに対する新たな分子標的療法の開発を目指し、炎症性サイトカイン、TLRやNLRP3等の神経免疫系を介した小児難治性てんかんの病態解明を以下のプロセスで行う。 (1) 各々の難治性てんかん患児のてんかん分類(症候群)や原因を精査した上で(2)各患者の中枢神経系サイトカインの病的プロファイルと自然免疫系の病的活性化状態を明らかにし(3)明らかとなった病的神経免疫状態をマウスを用いた動物てんかんモデルで再現し(4)この動物モデルにサイトカイン受容体、TLRやNLRP3阻害薬等を投与し治療効果を評価する。
初めの2年間で先ずは臨床的研究を先行させた。コロナ禍の影響を受けての受診控や患者数減少により、研究は非常に遅れたペースとならざるを得なかった。難治性てんかん患者のうち外科治療の対象となった症例は、2年間で24名(令和2年度で9名、令和3年度で15名)であった。国際てんかん学会2017年分類に従っての病因分類(複数適応あり)では、構造的(structural)15名、素因性(genetic)11名であった。このうち開頭手術で残余皮質検体を採取することが可能であったのは9名であり、全員で構造的(structural)病因によった。このうち8名で脳検体採取の同意を得た。引き続き同意取得及び検体確保に務める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
回復の傾向はあると言え、コロナ禍の影響を受けての受診控や患者数減少による。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き同意取得及び検体確保に務める。また確保できた8症例の脳皮質検体を東京都医学研究所に送付しており、今後てんかん活動期の脳皮質での神経免疫状態の評価を行うべく、ヌクレオカイン、サイトカイン、 Toll 様受容体(Toll-like receptor:TLR)や NLRP3 インフラマソームの測定を進める。また同時にてんかんモデルマウスを用いての検討も開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により研究が遅れており、次年度繰り越しとなる研究費が発生した。研究は遅れてはいるが、対象検体が揃い次第一気に開始される。
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