本研究では、腫瘍指向性脂質ナノ粒子(LNP)と誘導性カスパーゼ9(iC9)mRNAを組み合わせて、難治性がんに対するの新規治療法を開発することを目的とした。LNPの抗腫瘍効果は、MDA-MB231、SKBR3、MCF-7の3つの乳がん細胞株で検証した。iC9 mRNAを内包したLNP(iC9-LNP)は、CID存在下において、in vitroで3つのがん細胞株すべてに対して細胞傷害活性を示した。この治療法に対する感受性はがん細胞株間で不均一であり、BAX/Bcl-2比がこの違いと関連している可能性が示唆された。本遺伝子治療法は、難治性がんの治療における有望な代替手段となる可能性がある。
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