研究実績の概要 |
動物実験では野生型とmiR-21欠損C57BL/6マウスを、生後高濃度酸素に7日間暴露し、miR-21の標的遺伝子であるPDCD4の肺での発現をqPCRで解析した。野生型CLDマウスに10mg/kg/doseのmiR-21阻害剤とPBSを日齢1と5に皮下投与し、生理学的(分時換気量、呼吸数を日齢7、14に測定、体重測定)に評価した。ヒト検体を用いた実験では、早産児の血清から、Extracellular vesiclesを抽出したが、エクソソームの粒子系、粒子数ともに、CLD児と非CLD児で同様であった。CLD児では日齢28で血清エクソソーム中のmiR-21の発現が上昇しており、CLDマウスの血中でもmiR-21が上昇していることがわかった。また、酸素暴露後、miR-21欠損マウス肺ではPDCD4の発現が上昇していた。新生仔マウスの生後の体重の推移に関しては、日齢7の体重が野生型で2.69±0.06gであったのに対し、miR-21欠損マウスでは、3.05±0.15g、さらにmiR-21ヘテロ欠損マウスでは3.32±0.08gと、miR-21ヘテロ欠損マウス群でより体重が増加することが明らかになった。一方、miR-21阻害剤投与群ではPBS群に比べ、日齢14での体重(6.2g±0.3g vs 5.8g±0.2g, p<0.05)が増加し、分時換気量(21.3±0.9ml vs 18.2±1.2ml, p<0.01)、呼吸数(361±21 bpm vs 314±11 bpm, p<0.01)が改善していた。
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