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2023 年度 実施状況報告書

臨床・遺伝的情報を用いた川崎病患者における高精度治療反応性予測モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K08246
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

小林 しのぶ  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, 研究員 (70451721)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード川崎病 / 免疫グロブリン+プレドニゾロン初期併用療法 / 遺伝子多型 / 冠動脈病変
研究実績の概要

本研究の目的は、川崎病急性期における免疫グロブリン+プレドニゾロン(以下、IVIG+PSL)の初期併用療法を受けた患者(IVIG不応リスク患者)を対象に、遺伝学的情報と臨床情報を組み合わせた初期治療における新たな治療反応性予測モデルを構築することである。臨床情報のみならず遺伝子情報を含めることで、臨床的に使用可能でより予測精度の高い予後予測モデルを作成することを目指す。
IVIG+PSLの初期治療を受けた359例を抽出し、QC、Imputationを実施したのち、349例に対しIllumina Asian Screening Arrayを用いたゲノムワイドSNP typingを実施した。治療後解熱までに24時間以上を要した27例、24時間未満の322例、追加治療の有無(あり106例、なし243例)、CALの有無(あり49例、なし300例)のアウトカムを設定しゲノムワイド解析およびGene Set Enrichment(GSE)解析を実施している。GWASでは有意水準(P<5.0×10-8)を満たす関連SNPは認められなかったが、複数の有望なSNPが検出されている。治療後解熱時間の比較でIL-1β関連領域を含め10領域、その他、追加治療の有無、CALの有無でも関連傾向を認めた(P<5.0×10-5)ものがあったため、今後注目して詳細に解析を進めていく予定である。これらに加え、IVIG+PSLの初期併用療法以外の治療を受けた患者に関しても、順次タイピングを進めIVIG治療群特有的リスク因子として同定可能かという側面も検証する必要があると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度までCOVID-19流行の影響で協力施設での検体収集等に遅れが生じ、その影響を受けている。継続的にサンプル数をより多くするための各施設への働きかけを進めると同時に、現時点で解析可能なデータを対象に解析を実施している。

今後の研究の推進方策

今回、課題の一つにサンプル数の少なさがあるため、サンプル収集を継続して実施していく。同時に、現時点で解析可能なデータについて解析を進める。免疫グロブリン+プレドニゾロン初期併用療法を受けていないサンプルについてもタイピングを実施し、免疫グロブリン+プレドニゾロン初期併用療法実施の有無と各アウトカムに関連するリスク因子を探索的に検討し、候補因子をターゲットにより詳細に解析を進めていく。サンプル数、候補SNP同定可能かによっては、臨床情報をあわせた予測モデルの作成を最終目標とするかは、今後再検討が必要となる。

次年度使用額が生じた理由

研究期間延長のため、データ解析用サーバ利用、成果発表に必要な経費を確保する必要があったため。次年度はそれらの費用として使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Genome-wide association study of risk factors for non-response to primary immunoglobulin plus prednisolone therapy2024

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi.S, Yamazaki.K, Kobayashi.T, Onouchi.Y
    • 学会等名
      14th International Kawasaki disease symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] 免疫グロブリン・プレドニゾロン初期併用療法不応例における探索的ゲノムワイド解析2023

    • 著者名/発表者名
      小林しのぶ、山﨑慶子、小林徹、尾内善広
    • 学会等名
      第43回日本川崎病学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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