研究課題/領域番号 |
20K08247
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所) |
研究代表者 |
柴崎 淳 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医長 (30540471)
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研究分担者 |
富安 もよこ 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主幹研究員 (10443079)
相田 典子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医師 (20586292)
丹羽 徹 東海大学, 医学部, 教授 (60315801)
森崎 菜穂 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, 部長 (90721796)
オーレリー ピエバーシュ 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, 研究員 (50837606)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳MRI / 脳MRS / 新生児脳症 / 発達予後 |
研究実績の概要 |
周産期仮死に引き続いて発症する新生児低酸素性虚血性脳症において出生時のThompson scoreが死亡や短期予後に関連することを論文として報告した(Pediatric Research. 2023.93) さらに新生児低酸素性虚血性脳症の学齢期の長期予後について、十分な症例数のデータを取得できた。特に重度の脳性麻痺、重度の知的障害ではなくても、軽度知的障害や発達障害により、就学期に発達援助を必要とすることが約30%のこどもに発生し、死亡または重度障害を含めると約60%に問題が生じていることが判明した。また、死亡や重度の脳性麻痺、重度の知的障害などの重度の転帰ではない、軽度知的障害や発達障害では、MRI やMRスペクトロスコピー(MRS)データで重度の基底核・視床病変を持たないが、発達に問題が生じていることが判明した。 上記の結果を踏まえて、今後、新生児低酸素性虚血性脳症において出生後早期から発達予後を正確に予測できるバイオマーカーとして、脳MRI画像所見およびMRSで測定される脳内代謝物濃度データが長期の発達予後予測にも有用であるかどうか、データ解析し、論文化を行う。さらに、重度でなくても知的障害、発達障害により援助を必要とする症例についての予後予測が可能かどうか、さらには軽症脳症においての長期予後と新生児期の画像検査、 MRSデータと発達予後との関連についてもデータ解析する。死亡や重度の脳性麻痺、知的障害だけでなく、軽度の知的障害、発達障害についても予測可能な、新生児脳症における特定の画像所見やMRSデータがあるかどうかを検討し、論文化を行う予定である。 さらに今後の展望として、MRSデータが多施設で容易に実施、解析可能かつ正確に予後予測ができるMRS検査の方法を確立し、広く臨床と研究に活用できるようにするための研究を実施する。
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