小児期に発症する急性肝炎とそれに続発する急性肝不全の原因疾患は多岐にわたる。しかし、未だに約半数は原因不明で、劇症化する症例では肝移植以外に有効な治療法がない。肝臓での代謝や排泄に関わる分子機構に異常がある場合や、感染症などを契機にした免疫原性の肝炎病態など、多種多様である。未だ原因の特定や分子レベルでの病態理解は不明のままである。本研究では、患者のゲノム解析を行い、原因遺伝子を探索した。進行性家族性肝内胆汁うっ滞症など小児期に肝不全を来し得る疾患を診断した。また、一部の症例で末梢血で活性化CD8陽性T細胞が増殖し、肝臓病理でCD8陽性T細胞が増加していた。
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