脊髄性筋萎縮症(SMA)は、脊髄の前角細胞の変性による筋萎縮と進行性筋力低下を呈する疾患であるが、発症の早期から治療を行うことで筋症状の改善が認められるようになった。SMAでは、qPCR法を用いた新生児スクリーニング法が開発されているが、遺伝子診断を用いたスクリーニングであるため、倫理的な課題が多い。われわれは新生児スクリーニング用の濾紙血を用いて、SMN蛋白を測定する方法を開発した。そして濾紙血検体を用いたSMN蛋白測定による新生児期のSMAのスクリーニングを実施した。この検査によって、実際に新生児スクリーニングにおいてSMA患者を発見し、早期治療として遺伝子治療を行うことができた。
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