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2021 年度 実施状況報告書

リボソームタンパク質のリン酸化を介した先天性貧血における造血制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K08260
研究機関琉球大学

研究代表者

鳥原 英嗣  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50757218)

研究分担者 仲嶺 三代美  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20381105) [辞退]
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードダイアモンド・ブラックファン貧血 / リボソームタンパク質 / リン酸化 / ゼブラフィッシュ / 疾患モデル
研究実績の概要

リボソームタンパク質(RP)S19遺伝子は、Diamond-Blackfan貧血(DBA)の原因遺伝子として知られている。RPS19の変異によって、がん抑制遺伝子であるTP53経路が活性化されることが明らかとなっているが、発症機序の詳細な分子機構は不明な点が多い。これまでに私達は、DBA患者で変異が報告されているRPS19の59番目セリン(Ser59)について、複数のリン酸化酵素によってリン酸化されることを見出している。また、小型魚類のゼブラフィッシュを用いて、オルソログのrps19 Ser59のリン酸化状態を変化させると赤血球造血が障害されるという結果を得ており、TP53経路以外の未知のDBA発症メカニズムについて、検討を行っている。
本研究では、(1)rps19 Ser59のリン酸化・非リン酸化の状態における解析と、(2)リン酸化酵素pim1のリン酸化制御が与える影響の解析両面から、赤血球造血へのリン酸化の影響を検討している。(1)については、ノックダウン・レスキュー実験を用い、得られた胚から赤血球細胞を単離したところ、赤血球細胞では、他の組織と異なる発現プロファイルが得られた。(2)については、これまで作製したノックダウン・ノックアウトゼブラフィッシュでの解析に加え、阻害剤によっても同様に赤血球造血が障害されるという結果を得た。さらにRNA-seqによる解析も進めている。これらのモデルを用いて、rps19のリン酸化が個体中で赤血球造血にどのように関与しているのかを解析し、未知の発症分子機構の解明を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ゼブラフィッシュから赤血球細胞を単離し解析を行う方法を確立したので、他の細胞種に着手した。しかし、ゼブラフィッシュ飼育システムの不調から、継代に時間を要しており、実験に必要な系統の樹立に遅れが生じている。その間に行ったpim1阻害剤を用いた検討においては、有用な実験系であることがわかったため、こちらも並行して進めていく。pim1ノックアウトゼブラフィッシュを用いたRNA-seqにより、リン酸化や造血関連因子の発現変動が見られたため、更に詳細な解析を行う。rps19 Ser59の患者型、恒常的リン酸化、恒常的非リン酸化のノックインゼブラフィッシュについては、現在作成中であり、継代による確認・選別を行っている。

今後の研究の推進方策

(1)rps19 Ser59のリン酸化・非リン酸化の状態における解析については、現在作成中であるノックインゼブラフィッシュを得次第、赤血球および他の細胞種を単離し、解析を行う。
(2)rps19 Ser59リン酸化酵素pim1のリン酸化制御による解析については、ノックアウトゼブラフィッシュおよび阻害剤を用いた胚を用い、(1)同様、赤血球および他の細胞種を単離し、解析を行う。

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公開日: 2022-12-28  

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