腎線維化は、末期腎不全に至る進行性の腎障害において共通にみられる病理組織像であるが、腎線維化に対する有効な治療法は未だ確立されていない。慢性腎臓病(CKD)は成人の8人に1人が罹患する国民病で、末期腎不全への進行は透析医療費の増大を招くだけでなく、CKD患者では脳心血管病の併発も多く、CKDに対し適切な治療介入を行うことは極めて重要な課題である。一方、エリスロポエチン(EPO)の腎保護作用が報告されているが、その詳細は未だ不明であり、本研究はEPOの作用が間質浸潤マクロファージを介する可能性およびEPOが進行性の腎機能障害に対する有効な治療法となり得る可能性を示した点で意義深いものである。
|