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2020 年度 実施状況報告書

概日リズム関連遺伝子の自閉症、神経発達への影響について

研究課題

研究課題/領域番号 20K08265
研究機関自治医科大学

研究代表者

松本 歩  自治医科大学, 医学部, 講師 (20458318)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード自閉症スペクトラム / 発達障害 / エクソーム解析 / Timeless
研究実績の概要

自閉症スペクトラム、発達障害の原因不明例に10例のエクソーム解析を実施した。4例については原因を同定した。
1例は、DYNC1H1遺伝子は細胞質ダイニンの複合体のコア構造の細胞質ダイニン1の重鎖をコードしている。Charcot-Marie-Tooth、脊髄性筋萎縮症、および神経細胞移動障害を伴う知的障害、自閉症の原因遺伝子である。今回は、皮質形成異常を伴い難治性てんかんの症例と、皮質形成異常を伴わずに、難治性てんかんと、自閉症の症例で変異を同定した。DYNC1H1はStem、stalk、と運動ドメインである6つのAAAドメインから成り立っている。我々が同定した変異は、StemドメインとAAA6ドメインで、AAA6ドメインの変異報告は、これまでASDの症例の報告があったが、臨床症状の詳細は不明であった。皮質形成異常を伴わない知的障害、てんかんの報告もDYNC1H1としては少なく、てんかん、皮質形成異常のreviewと共に報告した(inpress)。
また、低身長と発達障害の症例でGAP43の変異を同定した。GAP43は成長因子関連蛋白で、神経の再生において重要であると考えられている。この症例はSilver-Russell症候群(SRS)に類似しており、SRSが疑われる症例で、このメチル化の有意差が見られたとの報告もあった。60例のSRS疑い例で通常H19/IGF2のメチル化異常が見られなかった症例についてシークエンスを行ったが、変異は同定できなかった。しかし、発達障害へ関与が考えられ、永田先生らと皮質形成への関与についてさらに解析中である。他の遺伝子についても更なる解析や、症例報告を作成中である。
ASDの患者より同定したTimelessのノックアウトマウスの行動解析については、網羅的に行動解析を行い、社会相互作用試験で有意差の出る結果が得られ、マウスの数を増やして解析予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

自閉症スペクトラム、発達障害のエクソーム解析については順調に進行している。また、Timelessのノックアウトの行動解析についても順調に進行している。
iPSを用いた解析については、再開できていないため現在行っているベクターを用いて培養細胞に変異を導入して行う解析が終了後に再開予定である。

今後の研究の推進方策

引き続き、エクソーム解析を行いながら、得られた遺伝子変異について機能解析を行っていく。
iPSを用いた神経への分化、変異導入による解析を再開する。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスの流行等研究の遅延が生じ前年度の購入した物品が残っていたことと、加えて経費削減により昨年度は研究費を使用しなかった。まとめて購入していた物品もなくなり、今後もエクソーム解析の継続、iPS研究も再開予定であり、使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Genome‐Wide Association Study of Lean Nonalcoholic Fatty Liver Disease Suggests Human Leukocyte Antigen as a Novel Candidate Locus2020

    • 著者名/発表者名
      Yoshida Ken、Yokota Kazuha、Kutsuwada Yukinobu、Nakayama Kazuhiro、Watanabe Kazuhisa、Matsumoto Ayumi、Miyashita Hiroshi、Khor Seik‐soon、Tokunaga Katsushi、Kawai Yosuke、Nagasaki Masao、Iwamoto Sadahiko
    • 雑誌名

      Hepatology Communications

      巻: 4 ページ: 1124~1135

    • DOI

      10.1002/hep4.1529

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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