研究課題
自閉スペクトラム症(ASD)では睡眠障害の有無の関わらず、概日リズム関連遺伝子の変異が有意に多いことを報告してきた。また、ASDおよび概日リズム異常のある親子でTimeless p.F498Sを同定した。概日リズム関連遺伝子のASD、神経発達への影響が考えられ、Timelessのノックアウトマウス(K.O.)を作成し共同研究において行動解析および脳の神経細胞の活動の評価を行った。行動解析ではTimeless K.O.マウスでは、社会性の低下等が示した。また、脳神経細胞の興奮性は、 Timeless K.O.マウスとWTで違いが示され、投稿準備中である。ID、ASDに対するエクソーム解析は患者38名に実施し、機能解析したものも含め12例(31.5%)で診断に至った。内訳では、知的障害、発達障害:12例(31.6%)、てんかん:4例(10.5%)、骨異常を含む奇形症候群:3例(7.9%)などであった。 ①DYNC1H1遺伝子は細胞質ダイニンの複合体のコア構造の細胞質ダイニン1の重鎖をコードする。神経細胞移動障害、知的障害、ASDの原因遺伝子である。 皮質形成異常(MCD)あり、MCDなしの難治てんかん症例を検出し経過とともに報告した。②難治性のミオクロニー失立てんかん(MAE)症例で同定したコンパウンドヘテロのCACNA1Hのバリアントについて、電位的な機能解析を追加した。既知のgain of function、 新規のloss of functionの バリアントの組み合わせにより難治性のMAEを発症したと考えられ投稿準備中である。③低身長と発達障害の症例で同定したGAP43は成長因子関連蛋白で、神経 の再生において重要な蛋白である。欠失例の報告で知的障害等の報告あり、GAP43は樹状突起の形成や軸索の伸長に関与し原因遺伝子と考えられ、論文投稿準備中である。
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