研究課題/領域番号 |
20K08273
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
黒羽 正剛 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70709469)
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研究分担者 |
工藤 博典 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00723032)
和田 基 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80372291)
梅田 みか (渡辺みか) 東北大学, 大学病院, 准教授 (20292344)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | オルガノイド |
研究実績の概要 |
本年度はまず、ドナー小腸の上皮は経過とともにレシピエント由来細胞に置換され、置換の成功がグラフトの長期生着に関与するという仮説を検証するため、当院で小腸移植を施行した症例のうち、女性ドナーから男性レシピエントへ移植した症例を対象とし、Y染色体のin situ hybridizationおよびサイトケラチン染色の2重染色を試みた。ドナー小腸への置換率が高い症例は移植後拒絶反応が高い傾向を認めた。移植の生存率がどのような臨床因子に影響を受けるのかを検証した。11人のレシピエントにおける11小腸移植移植片の1年、5年、および10年患者生存率および移植片生存率は、それぞれ100%、88.9%、62.2%、および90.0%、78.8%、56.3%であった。IL-2 Ra群とATG群の追跡期間の中央値はそれぞれ197.3ヶ月と87.3ヶ月であった。患者の1年、5年、10年生存率は、IL-2 Ra群とATG群でそれぞれ100%、83.3%、50%、100%、100%、100% (P=0.25)IL-2 Ra群とATG群でそれぞれ83.3%、66.7%、33.3%、100%、100%、100% (P=0.08)であった。ATGはIL-2 Raと比較して中等度および重度の急性拒絶反応を有意に抑制し、それにより短期および中期の拒絶反応のない生存率が良好であることを示した。ラットを用いた実験は新型コロナウイルス感染症のため実験の開始が大幅に遅れ、効率的なオルガノイドの樹立を目標とした。ラット大腸のオルガノイド樹立の効率は、Wnt、EGFβ、A83-01、Rspo1、Noggin、Igf、Fgfを含む無血清培地や市販の人オルガノイド樹立用の培地でも著変はなく効率的に培養が可能であった。しかし継代を繰りかえすことで徐々にオルガノイドの数が減少する傾向であった。
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