研究実績の概要 |
本年度は、HLA-G遺伝子多型(rs1736933 [-486 C > A]、rs1049033 [+2018 C > T]、14 bp Insertion [Ins]/Deletion [Del] [+2961 Del > Ins]、rs1063320 [+3142 C > G])と肝細胞癌(HCC)発症、B型肝炎表面抗原(HBsAg)クリアランスとの関連を検討した。 3つのSNPs(-486 C > A, +2018 C > T, +3142 C > G)の対立遺伝子はTaqMan 5'エキソヌクレアーゼアッセイで行い、14bpのIns/Del多型はGenetic AnalyzerとGeneMapperソフトウェアを用いた断片解析でタイピングした。 日本人HBV陽性者325人、健常人355人、HCV陽性者799人について、それぞれ上記の多型を解析した。結果:14 bp Insertion alleleはHBV患者でControlsより有意に高頻度であったが(27.1% vs 20.6%, OR 1.43, P = 0.005)、HCV患者とControlsの間に差はなかった。同様の結果がrs1063320 G対立遺伝子(38.9% vs.26.3%、OR 1.78、P < 0.001)とrs1736933 T対立遺伝子(32.2% vs. 26.9%、OR 1.29、P = 0.034)でもHBVとControlsの間で認められた。rs1049033 T対立遺伝子は弱いが有意な相関を示した。(Okumura et al. Human Immunology 2023) 現在、PBC患者についての検討を進めており、さらに発癌症例について発癌部と非発癌部、血液を収集し、そのHLA遺伝子とKIR遺伝子についてNGSで解析し、一部の結果が出ている。
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